医療法人ライフストリーム オレンジ歯科 院長ブログ

歯医者が嫌いな予防歯科医の診療風景

国民皆歯科検診でホントに医療費削減できるんやろか

 ま、昔から医者に行くまで皆健康といいますか、別に自分では何ともないのに
検診に行ったが最後あれやこれや病名をつけられて病人にされるわけですが、
定期検診のおかげで癌の早期発見に繋がったりして一命を取り留めたとか、
そういうことは確かにあるし保険医療費削減に繋がっていくんでしょうが、
歯科検診を国民全員にやったところで、医療費削減ってどの程度できるんやろか?
逆に不要な検査とか治療とかが増えて医療費増大しそうなもんだけど…

 政府としては、歯周病の予防・治療をすることで糖尿病とか心臓病とか誤嚥性肺炎
等を予防したいという話なんだけど、それなら僕はまず肥満の予防が先じゃないかな
と思うんですよね。
例えば肥満→糖尿病・脂肪肝→腎臓病・動脈硬化・網膜症etcの流れってかなり医療費
圧迫してませんかね?

 いや本当、なぜ今まで冷遇しまくってきた歯科にいきなり光を当ててきたのか、
なんか気持ち悪いというか、どういう目論見なんだろうコレは。
山田宏議員が頑張ってくれてるのはわかるのだけど、素直に「歯科医院の経営に
配慮して頂いてありがとうございます」と言っていいものなんだろうか?

 リグロス、金パラ、CADインレーとクソ保険点数連発で怒り狂ってる歯科医に
「まあまあ、これで怒りをお鎮め下さい」という饅頭的なもんなのか、
もしくは例えば学校検診は500円なり自費で、その検診を行った校医の医院に行くと
初診ではなく再診スタートになるので(多分。間違ってたらすみません)、
そういうところで医療費削減という話なのか、後者なら最悪なんだけど。


 たかだか十数万の有権者(歯医者)のために選挙的配慮をするとも思えないので、
未来の日本人の健康に繋げるための壮大な実験、と見るべきなんだろうか。
3年後に本当に施行されるのか、楽しみにしておきますか。