医療法人ライフストリーム オレンジ歯科 院長ブログ

歯医者が嫌いな予防歯科医の診療風景

歯の神経を残すための直接覆髄と間接覆髄

どうも最近オミクロンコロナでおうち時間が増えてるせいかわかりませんが、
間食の機会が増えてるんでしょうかね、齲蝕になって来院される方が増えてると感じます。
今まで定期的に検診に来られててほとんど齲蝕が無かった方に、小さい齲蝕が発生してるケースがちらほら。

 

男性:右上の奥歯が凍みて痛いができれば神経を残して欲しい

右上5番に大き目の齲蝕。

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できればここまで齲蝕が深くなる前に来てもらえると、
神経を助けられる可能性が上がるんですが…

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軟象を除去してみたが、

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直接覆髄では厳しいと感じたので、

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断髄してMTAセメントを入れ、

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CRで充填した。

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女性:左下の奥歯が凍みる

左下5番に大き目の齲蝕。
深いが、神経を取る必要はなく、直接覆髄をするほどでもなく、
でも普通にCRで埋めただけでは凍みるかも、という深さ。

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これは3mix+α-TCP(注:3Mix-MP法ではない)で間接覆罩して経過観察していたが、
3か月後にCRが欠けてきたのでレントゲンを撮ってみると、

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第2象牙質が形成されているのが確認できた(下図の赤色部分)ので、
再度CRで充填して終了とした。

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まあ、神経が腐ってなければ何とかなることも多いのですけども、
どうしても痛いときはあきらめて神経取りましょう。
無理に残しても後から膿んで腫れてきたりすることもありますからね。