オレンジ歯科・おおいた先端予防歯科 院長ブログ

歯医者が嫌いな予防歯科医の診療風景

難治性根尖病巣の抜歯再植(意図的再植)症例01

女性・右下の奥歯が噛むと痛い

 

 さて抜歯再植ってのは聞き慣れないと思いますが、根管治療を続けても予後の悪い場合とか、歯根が真っ二つに割れてる場合なんかに僕は結構使います。

 インプラントやってる歯医者さんは多いのですが、この抜歯再植をやってる歯医者さんは滅多に見かけません。こんなことやっても儲からないからでしょうか?

 

 右下7番に打診痛(+)咬合痛(+)、動揺はない。
初診時デンタルはこちら。

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近心に大きな骨欠損(青)、根分岐部に透過像と根充材?(黄)
この7番は樋状根の可能性が高い。近心の欠損は咬合性外傷だろうか?

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 4回ほど通常の根管治療を続けてみたが全く改善がみられなかったので、
歯根破折と判断して、患者さんの了承を得て抜歯再植を行うことにした。

 感染根管に対して3~4回根管治療を続けて改善がほとんどみられないようなら、歯根破折などを起こしている可能性が高いので、それ以上根治を続けても時間の無駄だと僕は思ってます。根治を何回繰り返しても症状が改善せず、患者も術者も疲れ果て、最後には抜歯になるのがオチでしょう。

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7番は3Mixで根充してからCRコアを築成し、慎重に抜歯。

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不良肉芽を除去。頬側に穿孔を見つけた。

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やはり樋状根だった。舌側がこういう状態。
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画像がボケててすみませんが、青丸部分にも穿孔を見つけた。
これがデンタルの黄色部分、透過像と根充材の原因のようだ。
歯根破折を疑ったのだが、特に破折はしていなかった。
もし破折していたら、くっつけるんだけども。

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抜歯窩。
舌側に大きな骨欠損と不良肉芽を触知した(黄丸部分)ので、徹底的に掻爬した。

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あとは根尖部を逆根充する。

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スーパーボンドで穿孔していた部分を塞いで、

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抜歯窩に戻して固定。
1ヶ月半くらいこのまま固定し、生着したら固定を外して補綴。

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 たまーにアンキロ起こすこともあるけども、保険で認められてる「8番を抜歯して他の所に自家移植」より成功率は高いと思う。ソケットが同じやからね。

 まぁでも、だいたい皆さんウチに来れば歯を抜かれないと思って来院されてるので、「1度抜きましょう」と言うと「ええぇ!?」という反応されることが多いです。でも割れたり予後の悪い歯を助けられるとしたら、こういう方法しかありません(骨が残ってないとダメですけど)。